ハーレーダビッドソンの中でも、ひときわ異彩を放つXL1200CX ロードスター。そのスポーティな魅力に惹かれる一方で、ハーレー ロードスターの欠点について検索し、購入をためらっている方も多いのではないでしょうか。実際のところ、オーナーからは欠点だけでなく、それを上回る魅力についても多くの声が寄せられています。
この記事では、新車当時の定価やオーナーが語るリアルな燃費性能、そして人気がありながらも一部で不人気と言われる理由まで、多角的に解説します。また、生産終了に伴う中古市場での価格高騰の背景や、カフェカスタムによる改善点と注意点、さらにはハーレーで1番売れたモデルとの比較を通じて、ロードスターの真の姿に迫ります。この記事を読めば、購入後の失敗や後悔を避け、あなたがロードスターと長く付き合えるかどうかを判断するための知識が身につきます。
- ロードスター特有の欠点と具体的なオーナーの声
- 新車・中古市場における価格や高騰の背景
- カスタムによって改善できる点と注意点
- 購入後に後悔しないための総合的な判断基準

イメージ(@プレステージ・モーターバイクス)
ハーレー ロードスターの欠点と基本スペック
ハーレー ロードスター(XL1200CX)は、その走行性能の高さから注目を集める一方、購入を検討する上で知っておくべき基本的な情報や、特有の乗り味に関する評価が存在します。ここでは、価格や燃費といった基本スペックから、実際の乗り心地、そして他のモデルと比較した際の魅力と欠点について掘り下げていきます。
この章のポイント
- 新車当時の定価はどのくらいだった?
- オーナーが語る実際の燃費性能
- ポジションや乗り心地に関する評価
- 欠点だけじゃないロードスターの魅力とは
- ハーレーで1番売れたモデルとの比較
新車当時の定価はどのくらいだった?
ハーレー ロードスター(XL1200CX)が新車として販売されていた当時、その価格はハーレーのラインナップの中では比較的手に取りやすい設定でした。具体的には、2017年モデルのビビッドブラックのメーカー希望小売価格は1,556,000円(税込)とされています。
また、ハーレーは多様なカスタムパッケージを提供しており、ロードスターにもカフェレーサースタイルをより強調する「カフェカスタム・コアパッケージ」が用意されていました。このパッケージは、新車との同時購入時のみに適用される特別なメーカー希望小売価格が334,000円(税込)で、これを追加すると合計金額は1,890,000円(税込)となります。
この価格帯は、1200ccクラスのハーレーとしては戦略的なものでしたが、国産の同クラスのバイクと比較すると高価であることは否めません。そのため、購入を検討するユーザーにとっては、価格に見合う価値があるかを慎重に判断する必要がありました。現在では生産が終了しているため、これらの価格は中古車市場での価格を判断する上での一つの基準となります。
オーナーが語る実際の燃費性能
ロードスターの燃費性能は、乗り方や走行環境によって変動しますが、オーナーのインプレッションを参考にすると、おおよその数値を把握することができます。
多くのオーナーレビューによれば、市街地走行やツーリングを含めた平均的な燃費は、リッターあたり約18kmから20kmの範囲に収まることが多いようです。一方で、高速道路を主体とした巡航では、リッターあたり23kmを超える良好な数値を記録したという報告もあります。
ロードスターの燃料タンク容量は12.5リットルです。このタンク容量と平均燃費から航続距離を計算すると、満タン状態から約225kmから250km程度走行できる計算になります。ただし、実際には早めに給油警告灯が点灯することを考慮すると、安心して走行できる距離は150kmから200kmが一つの目安と考えられます。
この航続距離は、長距離ツーリングを主目的とするライダーにとっては、やや短く感じられるかもしれません。そのため、ツーリング計画を立てる際には、こまめな給油計画が必要となる点は、実用面での一つの注意点と言えます。
ポジションや乗り心地に関する評価
ロードスターの乗り心地とライディングポジションは、このモデルの個性を最も象徴する部分であり、評価が大きく分かれるポイントです。カフェレーサーというコンセプトに基づき、スポーティな走行を意識した設計がなされています。
まずポジションですが、足を前に投げ出すようなミッドコントロールステップと、幅が広く低いハンドルバーの組み合わせが特徴です。これにより、ライダーはやや前傾姿勢を強いられます。この独特なポジションは、体格によっては長時間のライディングで肩や背中、腰に負担を感じる原因となることがあります。
乗り心地に関しては、標準装備のサスペンションが硬めであるという意見が多く見られます。路面の段差や継ぎ目からの突き上げをダイレクトに感じやすく、特に路面状況が良くない道では、乗り心地が悪いと感じるかもしれません。一部のオーナーからは「フワフワして疲れる」といった声もあり、安定感を求めるライダーには物足りなさが感じられる可能性があります。
また、純正シートもスポーティな薄型のデザインであるため、長距離ではお尻が痛くなりやすいという指摘もあります。これらの点から、ロードスターのポジションと乗り心地は、快適なクルージングよりも、スポーティなフィーリングを重視するライダー向けの設定であると考えられます。

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欠点だけじゃないロードスターの魅力とは
これまで述べてきたように、ロードスターにはいくつかの欠点が存在しますが、それを補って余りある独自の魅力があるからこそ、今なお多くのファンを惹きつけています。
最大の魅力は、その唯一無二のスタイリングです。伝統的なハーレーのイメージとは一線を画す、倒立フロントフォークやショートフェンダー、ガンファイターシートなどを採用したカフェレーサースタイルは、非常に洗練されており、街中でも際立った存在感を放ちます。この「ハーレーらしくない」スポーティな外観に一目惚れして購入を決める人が後を絶ちません。
次に、ラバーマウントされた1201ccのEvolutionエンジンがもたらす鼓動感と走行性能が挙げられます。アクセルを開ければ、Vツインエンジンならではの力強いトルクとサウンドが五感を刺激し、乗るたびにワクワクするような高揚感を与えてくれます。基本的な設計が長く変わらないスポーツスターファミリーであるため、カスタムパーツが非常に豊富な点も大きな魅力です。オーナーの好みに合わせて、乗り心地の改善から外観の変更まで、無限の可能性を秘めています。
このように、ロードスターは単なる移動手段ではなく、所有する喜びや自分らしくカスタマイズする楽しみを提供してくれる、趣味性の高い一台なのです。

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ハーレーで1番売れたモデルとの比較
ロードスターの立ち位置をより深く理解するために、ハーレーダビッドソンの中で絶大な人気を誇るモデルと比較してみましょう。インプットされた情報によると、ハーレーの人気ランキングで1位を獲得したのは「XL883N アイアン」です。このモデルとの比較を通じて、ロードスターの個性を見ていきます。
項目 | XL1200CX ロードスター | XL883N アイアン |
エンジン | Evolution (1201cc) | Evolution (883cc) |
スタイル | カフェレーサー/ネイキッド | ボバー/ダークカスタム |
Fフォーク | 倒立フォーク | 正立フォーク |
Fブレーキ | ダブルディスク | シングルディスク |
シート高 | 785mm | 760mm |
車両重量 | 259kg | 256kg |
コンセプトと走行性能の違い
XL883N アイアンは、全体をブラックアウトしたダークカスタムスタイルと、883ccエンジンの扱いやすさから、ハーレー入門者やカスタムベースとして幅広い層に支持されています。低いシート高による足つきの良さも人気の理由です。
一方、ロードスターは1201ccの大排気量エンジンに加え、倒立フォークやダブルディスクブレーキといった高性能な足回りを備え、よりスポーツ走行を意識したモデルです。アイアンが「スタイルと鼓動感」を重視するのに対し、ロードスターは「走行性能とスポーティなスタイル」を追求していると言えます。
ターゲット層の違い
アイアンは、比較的ゆったりとしたポジションで街乗りからツーリングまでこなせる万能さが魅力です。対してロードスターは、その独特なライディングポジションから、乗り手を選ぶ傾向があります。これらのことから、アイアンはハーレーの世界観に浸りたい多くのライダーに向けたモデル、ロードスターは既存のハーレーとは違う刺激的な走りを求める、よりコアなライダーに向けたモデルと位置づけることができます。

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購入前に知るべきハーレー ロードスターの欠点
ロードスターの購入を具体的に検討する段階では、その人気や評価の裏側にある注意点や、市場における現状を理解することが不可欠です。ここでは、なぜ一部で不人気と言われるのか、中古車市場の動向、そしてカスタムを施す際のメリットとリスクについて、より深く掘り下げていきます。
この章のポイント
- 人気モデルゆえの不人気と言われる理由
- 新車と中古どちらで買うべきか
- 生産終了で中古価格が高騰している背景
- カフェカスタムで改善できることと注意点
- エンジンや駆動系に関するオーナーの声
- 積載性やタンク容量など実用面での評価
- 後悔しないためのハーレー ロードスターの欠点
人気モデルゆえの不人気と言われる理由
ハーレー ロードスターは、その個性的なスタイルと走行性能で一部のライダーから熱狂的な支持を受ける一方で、「不人気」という評価を目にすることがあります。これは、ロードスターの性能が低いという意味ではなく、ハーレーダビッドソンというブランドの中で、その立ち位置が特殊であることに起因します。
第一に、スタイリングが従来のハーレー像から少し外れている点が挙げられます。重厚でクラシカルなクルーザーを「ハーレーらしさ」と考える層にとって、カフェレーサースタイルのロードスターは異質に映ることがあります。これは新しいファン層の獲得を狙ったものですが、従来のファンには受け入れられにくい側面がありました。
第二に、前述の通り、ライディングポジションに癖があることです。スポーツ走行を意識した前傾姿勢は、ハーレーにゆったりとした快適な乗り心地を求めるライダーのニーズとは合致しません。街乗りや長距離ツーリングでの快適性を重視する人からは、敬遠されがちでした。
第三に、価格と装備のバランスも一因です。同クラスのスポーツスターファミリーと比較してやや高価な設定でありながら、一部にプラスチック部品が使用されるなど、コストダウンを感じさせる部分がありました。この点が、コストパフォーマンスを重視するユーザーの不満を招いた可能性があります。
これらの理由から、ロードスターは決して万人向けのモデルではなく、「特定の層に深く刺さる」モデルであるがゆえに、全体的な市場で見ると「不人気」と見なされることがあるのです。
新車と中古どちらで買うべきか
ハーレー ロードスターはすでに生産が終了しているため、現在、正規ディーラーから新車で購入することはできません。したがって、ロードスターを手に入れるための選択肢は、必然的に中古車市場から探すことになります。
中古車を選ぶ最大のメリットは、新車価格よりも安価に入手できる可能性がある点です。また、前のオーナーによって有益なカスタムが施されている車両を見つけられることもあります。例えば、乗り心地を改善するためのシート交換や、実用性を高めるためのバッグ類が装着されている場合、追加の費用と手間を省くことができます。
一方で、中古車には注意すべき点も多く存在します。最も重要なのは、車両の状態を正確に見極めることです。走行距離や年式だけでなく、メンテナンスが適切に行われてきたかを示す整備記録の有無は必ず確認すべきです。特にハーレーのような空冷Vツインエンジンは、オイル管理が非常に重要となります。
また、カスタムが施されている場合は、その内容が自身の好みに合っているか、そして保安基準に適合しているかを確認する必要があります。過度なカスタムや質の低いパーツが使用されている場合、購入後に思わぬトラブルや追加費用が発生するリスクがあります。信頼できるハーレー専門店や実績のある中古バイクショップで購入し、保証やアフターサービスが受けられるかどうかも、安心して乗り続けるための鍵となります。

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生産終了で中古価格が高騰している背景
近年、ハーレー ロードスターの中古車価格は高騰傾向にあります。これにはいくつかの要因が複雑に絡み合っており、単なる人気だけでは説明できません。
最大の要因は、生産終了による希少価値の上昇です。ロードスターはスポーツスターファミリーの中でも比較的短命に終わったモデルであり、市場に流通している台数には限りがあります。特に、走行距離が少なく、ノーマルに近い状態を保った良質な個体は非常に少なく、需要が供給を上回る状況が価格を押し上げています。
次に、中古バイク市場全体の活況も影響しています。新車の納期遅延や価格上昇を背景に、多くの人が中古バイクに目を向けるようになりました。その中で、ハーレーのようなプレミアムブランドは資産価値が落ちにくいとされ、投資的な側面から購入されるケースも増えています。
さらに、ロードスター自体のスペックの高さも、時代を超えて評価されている点です。倒立フォーク、ダブルディスクブレーキ、ラジアルタイヤといった装備は、現行モデルと比較しても遜色なく、走行性能を重視するライダーにとって今なお魅力的です。
加えて、海外でも支持されているカフェカスタムやクラブスタイルのベース車両として、ロードスターの評価が高まっていることも価格高騰の一因です。これらの要因が重なり、ロードスターは「ただの中古車」ではなく、「価値ある一台」として市場で取引されているのです。
カフェカスタムで改善できることと注意点
ロードスターの持つカフェレーサーという素性を活かし、さらにスタイルを追求したり、あるいは欠点を改善したりするのがカフェカスタムです。適切に行えば、バイクとの付き合いがより一層楽しいものになります。
カスタムによる改善点
乗り心地やポジションの改善は、カスタムによって効果を実感しやすい部分です。例えば、ステップ位置を後方に移動させる「バックステップキット」を導入すれば、よりスポーティで一体感のあるポジションを実現できます。また、純正の硬いシートを、クッション性の高いゲル入りのツーリングシートなどに交換することで、長距離走行時の疲労を大幅に軽減可能です。
足回りの強化も有効なカスタムです。特にリアサスペンションをオーリンズなどの高性能な製品に交換すると、路面からの突き上げがマイルドになり、走行安定性が向上します。
カスタム時の注意点
一方で、カスタムにはリスクも伴います。まず、安全性と走行バランスの変化です。ハンドル交換やサスペンションの変更は、メーカーが意図したハンドリング特性を崩してしまう可能性があります。特に安易なアップハンドルの装着は、見た目は変わりますが、操作性が悪化し、かえって疲労が増すこともあります。
次に、法規制への適合性です。マフラーや灯火類、フェンダーなどを変更する際は、保安基準を満たしているかを確認しなければ、車検に通らなくなります。
最後に、部品の適合性です。ロードスターはフロント19インチ、リア18インチという特殊なホイールサイズを採用しているため、他のスポーツスター用パーツが適合しない場合があります。信頼できるショップと相談しながら、安全性、合法性、整備性を考慮してカスタムを進めることが、失敗しないための重要なポイントです。

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エンジンや駆動系に関するオーナーの声
ロードスターの心臓部であるエンジンや駆動系は、力強い鼓動感という魅力を持つ一方で、いくつかの欠点がオーナーから指摘されています。これらはハーレー特有の「味」と捉えることもできますが、購入前に知っておくべき点です。
まず、クラッチの重さが挙げられます。特に市街地でのストップアンドゴーが多い場面では、クラッチ操作が左手の疲労に直結するという声が多く聞かれます。長距離ツーリングでも、渋滞にはまると負担に感じることがあります。
次に、ニュートラルが出しにくいという問題です。特に停車時に、1速からニュートラルにスムーズに入らないことがあり、慣れるまでストレスを感じるかもしれません。これはハーレーのトランスミッションの構造的な特徴とも言われ、オイルの種類やクラッチの調整で多少改善される場合もあります。
エンジン振動も特徴の一つです。ラバーマウントエンジンであるため、ある程度の振動は吸収されますが、アイドリング時や特定の回転域での大きな振動は、人によっては不快に感じる可能性があります。
最後に、低回転域でのトルクの頭打ちです。力強い加速が魅力のエンジンですが、一部のオーナーからは「思ったより低回転でトルクが頭打ちになり、もっと伸びてほしい」という意見も見られます。これらの点は、試乗などを通じて自身の感覚と合致するかを確認することが大切です。
積載性やタンク容量など実用面での評価
ロードスターを日常の相棒として考えた場合、実用面での評価は決して高いとは言えません。デザインと走行性能を優先した結果、いくつかの点が犠牲になっています。
最も顕著なのは、積載性の欠如です。純正状態では荷物を積むスペースは皆無に等しく、シート下の収納はもちろん、荷掛けフックすらありません。日帰りツーリングであっても、リュックサックを背負うか、あるいはカスタムで積載機能を付加する必要があります。多くのオーナーは、脱着可能なサイドバッグや、見た目を損ないにくいコンパクトなタンクバッグなどを装着してこの問題を解決しています。
前述の通り、タンク容量の少なさも実用面での大きな課題です。12.5リットルという容量は、デザイン的にはスリムで美しいシルエットに貢献していますが、航続距離の短さに直結します。約150kmから200kmごとには給油が必要になるため、特にガソリンスタンドが少ない地域へツーリングに行く際は、常に燃料計を気にしながら走ることになります。
このように、ロードスターは利便性や実用性を最優先するバイクではありません。これらの不便さを受け入れ、工夫しながら付き合っていくという姿勢が、このバイクを楽しむ上での一つの鍵となります。

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後悔しないためのハーレー ロードスターの欠点
この記事を通して、ハーレー ロードスターが持つ多面的な特徴を解説してきました。最後に、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、ロードスターの欠点と、それを踏まえた上でこのバイクを選ぶべき人はどのようなタイプなのかをまとめます。
- ロードスターは独特のカフェレーサースタイルを持つ
- 伝統的なハーレー像を求める人には異質に映ることがある
- 前傾姿勢のライディングポジションは乗り手を選ぶ
- 長距離走行では肩や腰に負担がかかる可能性がある
- サスペンションが硬めで路面からの突き上げを感じやすい
- クラッチが重く市街地での疲労につながることがある
- ニュートラルに入りにくいという特有の癖がある
- 積載性は皆無に等しく工夫が必要
- 燃料タンク容量が少なく航続距離が短い
- 生産終了のため入手は中古車のみ
- 希少性から中古価格は高騰傾向にある
- 一部パーツにコストダウンが見られるという指摘がある
- カスタムベースとしての魅力は非常に高い
- 走行性能を重視したパーツ構成となっている
- 利便性よりもスタイルや走りの楽しさを優先する人向けのバイク