「モンキー125の購入を考えているけれど、5速モデルは本当に必要なのだろうか?」そんな疑問をお持ちではありませんか。愛らしい見た目と走る楽しさで人気のモンキー125ですが、現行の5速モデルと旧型の4速モデルがあり、どちらを選ぶべきか悩む方は少なくありません。
この記事では、モンキー125に5速はいらないのかという疑問に答えるため、そもそも何年式から5速になったのか、そして4速と5速どっちを選ぶべきか、その違いを徹底的に解説します。5速の具体的な使い道から最高速の変化、4速と5速それぞれのメリット・デメリット、さらには交通の流れに乗れず煽られるといった不安まで、あらゆる角度から比較検討します。
この記事を読み終える頃には、あなたの使い方に最適なモンキー125がどちらのモデルなのか、明確な答えが見つかるはずです。
- モンキー125の5速と4速の具体的なスペックの違い
- 街乗りやツーリングなど利用シーンごとのおすすめモデル
- 5速化による走行性能や快適性の変化
- 後悔しないためのモデル選びの最終的な判断基準

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「モンキー125に5速はいらない」を解説
この章のポイント
- そもそも何年式から5速が採用された?
- 4速と5速どっちがいい?スペック上の違い
- 旧型4速モデルのメリット・デメリット
- 現行5速モデルのメリット・デメリット
- 使い方次第で5速はいらないのか考察
そもそも何年式から5速が採用された?
モンキー125(Monkey125)に5速トランスミッションが採用されたのは、2021年9月27日に発売されたモデルからです。このモデルの型式は「JB03」と呼ばれています。したがって、2018年に初代モンキー125が登場してから2021年のモデルチェンジ前までに販売されていたモデル(型式:JB02)が4速トランスミッションを搭載しています。
このモデルチェンジは、エンジンの仕様変更と密接に関連しています。新しい排ガス規制(平成32年(令和2年)排出ガス規制)に対応するため、エンジンが刷新されました。具体的には、従来のショートストロークエンジンから、より燃焼効率に優れたロングストロークエンジンへと変更されたのです。この新エンジンの搭載に合わせて、トランスミッションも4速から5速へと多段化されました。
そのため、中古車市場でモンキー125を探す際には、年式と型式が4速か5速かを見分ける重要な手がかりとなります。2021年9月以降に発売された新車はすべて5速モデルであり、それ以前のモデルが4速モデルであると覚えておくと良いでしょう。この変更により、走行フィーリングにも変化が生まれています。

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4速と5速どっちがいい?スペック上の違い
4速モデル(JB02)と5速モデル(JB03)は、単にギアの枚数が違うだけではありません。前述の通り、エンジン形式の変更に伴い、様々なスペックに違いが見られます。どちらが良いか一概には言えず、これらの違いを理解することが、自分に合ったモデルを選ぶ上での第一歩となります。
ここでは、両者の主なスペックを比較した表を見てみましょう。
スペック項目 | 4速モデル (JB02) | 5速モデル (JB03) |
エンジン形式 | 空冷4ストロークOHC単気筒 | 空冷4ストロークOHC単気筒 |
ボア x ストローク | 52.4mm x 57.9mm | 50.0mm x 63.1mm |
最高出力 | 6.9kW (9.4PS) / 7,000rpm | 6.9kW (9.4PS) / 6,750rpm |
最大トルク | 11N・m (1.1kgf・m) / 5,250rpm | 11N・m (1.1kgf・m) / 5,500rpm |
トランスミッション | 常時噛合式4段リターン | 常時噛合式5段リターン |
WMTCモード燃費 | 67.1 km/L | 70.0 km/L |
車両重量 | 105kg (ABS: 107kg) | 104kg |
その他 | ABSはタイプ設定 | ABS標準装備 |
エンジンの特性とギア比の変更
表を見ると、最高出力の数値自体は同じですが、発生回転数が5速モデルの方がわずかに低くなっていることが分かります。これはエンジンがショートストロークからロングストロークになった影響が大きいです。ロングストロークエンジンは一般的に低中速域での粘り強さやトルク感に優れる傾向があります。
また、5速化に伴いギア比も変更されています。4速モデルに比べて5速モデルは全体的にギア比が近い「クロスミッション」設定となりました。これにより、シフトアップ時のエンジン回転数の落ち込みが少なく、よりスムーズでスポーティな加速感を得やすくなっています。そして、新たに追加された5速は巡航時の回転数を抑えるオーバードライブ的な役割を担っており、燃費や静粛性の向上に貢献します。

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旧型4速モデルのメリット・デメリット
型式JB02として知られる旧型の4速モデルにも、独自の魅力と考慮すべき点が存在します。最新モデルではないからといって、選択肢から外すのは早計かもしれません。ここでは、4速モデルが持つメリットとデメリットを具体的に解説します。
4速モデルのメリット
まずメリットとして挙げられるのは、その完成された乗り味です。4つのギアをワイドなギア比で使い切る感覚は、ライダーに「バイクを操っている」というダイレクトな楽しさを与えてくれます。特に街乗りや短い峠道などでは、頻繁なシフトチェンジを必要とせず、ズボラな運転でも力強く走ってくれる大らかさがあります。
また、中古車市場での価格がこなれている点も大きな魅力です。新車に比べて手頃な価格で手に入れることができるため、購入費用を抑えたい方や、カスタムベースとして気兼ねなく手を加えたい方にとっては最適な選択肢となり得ます。既に多くのカスタムパーツが市場に出回っているため、自分だけの一台を創り上げる楽しみも広がります。
4速モデルのデメリット
一方で、デメリットも存在します。最も顕著なのは、バイパス道路など、ある程度の速度で巡航する際のエンジン回転数が高めになることです。60km/h前後で走行していると、エンジンが頑張っている感覚が伝わりやすく、人によっては振動やエンジン音が気になるかもしれません。長距離のツーリングを快適に楽しみたいと考える場合、この点が少し物足りなく感じられる可能性があります。
もう一つの点は、心理的なものですが「最新モデルではない」ということです。新しい5速モデルが登場したことで、どうしても旧型というイメージがつきまといます。常に最新の性能を求める方にとっては、この点がデメリットと感じられるかもしれません。
現行5速モデルのメリット・デメリット
2021年のモデルチェンジで登場した型式JB03、現行の5速モデルは、多くの点で進化を遂げています。しかし、その進化が全てのライダーにとってメリットとなるわけではありません。ここでは、5速モデルの長所と、人によっては短所となり得る点を詳しく見ていきます。
5速モデルのメリット
最大のメリットは、巡航時の快適性向上です。新たに追加された5速ギアはオーバードライブの役割を果たし、一定速度での走行時にエンジン回転数を低く抑えることができます。これにより、エンジンの振動や騒音が低減され、長距離の移動でもライダーの疲労が少なくなります。公式の燃費データが向上していることからも分かるように、経済性の面でも恩恵があります。
また、クロスミッション化されたギア比は、スポーティな走りを楽しみたいライダーにとって大きな魅力です。シフトチェンジの際の回転数の落ち込みが少なく、スムーズで途切れのない加速感を味わえます。エンジンの美味しい領域を保ちながらリズミカルに走る楽しさは、5速モデルならではのものです。加えて、ABSが標準装備となり、安全性が高まった点も見逃せません。
5速モデルのデメリット
逆にデメリットとして考えられるのは、シフトチェンジの頻度が増えることです。特に市街地など、加減速を繰り返す場面では、4速モデルに比べて忙しく感じる可能性があります。のんびりと景色を楽しみながら走りたいライダーにとっては、このスポーティな特性が少しせわしなく感じられるかもしれません。
また、現行モデルであるため、中古車市場でも価格は比較的高めで推移しています。4速モデルに比べて初期投資が大きくなる点は、予算を重視する方にとってはデメリットとなるでしょう。乗り味についても、4速モデルの大らかさを好むライダーからは、洗練されすぎていて少し物足りないという声が聞かれることもあります。
使い方次第で5速はいらないのか考察
結局のところ、モンキー125に5速が必要かどうかは、オーナーがどのような使い方を想定しているかによって答えが変わります。絶対的な優劣はなく、それぞれのライフスタイルやライディングスタイルに合った選択をすることが大切です。
例えば、主な用途が近所の買い物や片道30分程度の通勤・通学といった「街乗り」である場合、4速モデルでも十分な性能を発揮します。むしろ、ギアチェンジの頻度が少なく、低速トルクで力強く走れる4速の方が、ストップアンドゴーの多い市街地では快適だと感じる人も多いでしょう。ギアを一つひとつ使い切る感覚も、バイクを操る楽しさにつながります。

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一方で、週末には少し足を延ばして郊外へのツーリングを楽しみたい、あるいは峠道でリズミカルな走りを楽しみたいと考えているのであれば、5速モデルの恩恵は大きいと考えられます。巡航時の快適性や静粛性、そしてスムーズな加速感は、長時間のライディングにおける満足度を大きく高めてくれます。
以上の点を踏まえると、「モンキー125に5速はいらない」という意見は、主に街乗り中心の使い方を想定した場合に当てはまると言えそうです。



走行シーンで検証「モンキー125に5速はいらない」は本当か
この章のポイント
- 5速の具体的な使い道はツーリング?
- 5速化による最高速への影響を解説
- 交通の流れに乗れず煽られる場面はあるか
- 4速のほうが楽しい?エンジンフィーリング
- カスタムベースとしての4速と5速の魅力
- まとめ:モンキー125の5速はいらないか
5速の具体的な使い道はツーリング?
5速化の最大の恩恵は、やはりツーリングシーンで発揮されると考えられます。モンキー125は高速道路を走行できませんが、郊外のバイパスや幹線道路など、比較的高い速度域で巡航する場面は少なくありません。
こうした場合、4速モデルでは60km/h前後で走行するとエンジン回転数が高めになり、連続走行では振動や音による疲労感が増す傾向にあります。しかし、5速モデルであれば、トップギアである5速に入れることでエンジン回転数を低く抑えることが可能です。これは、エンジンへの負担を軽減するだけでなく、ライダーの快適性を大きく向上させます。静かなエンジン音で流れる景色を楽しむ余裕が生まれるため、ツーリングの質そのものが向上すると言っても過言ではないでしょう。
また、燃費性能の向上もツーリングにおいては見逃せないポイントです。給油の回数を減らせることは、ツーリングの計画に自由度をもたらします。このように考えると、5速の主な使い道は、まさにツーリング時の巡航性能を高めることにあると言えます。街乗りではその恩恵を感じる機会は少ないかもしれませんが、一度郊外へ足を延せば、その価値をはっきりと体感できるはずです。

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5速化による最高速への影響を解説
「ギアが1速増えたのだから、最高速も伸びるのでは?」と期待する方は多いかもしれません。しかし、モンキー125の5速化は、最高速の向上を第一の目的としたものではない、と理解しておくことが大切です。
前述の通り、5速モデルのトランスミッションは、全体的にギア比が近くなったクロスレシオ設定であり、5速は巡航時の回転数を下げるためのオーバードライブ的な性格を持っています。そのため、4速でトップスピードに達した後に5速に入れても、そこからさらに速度が大きく伸びるというわけではありません。むしろ、風の抵抗やエンジン出力の限界から、速度の伸びは緩やかになるか、状況によっては速度が維持される程度になることが多いようです。
ホンダの公式発表や多くのインプレッションを見ても、5速化による最高速の大幅な向上について言及されることは稀です。この変更の主眼は、あくまで実用域での走行快適性と燃費性能の向上にあります。したがって、最高速アップを期待して5速モデルを選ぶと、少し期待外れに感じる可能性があります。最高速よりも、巡航時の余裕や快適性に価値を見出すべきでしょう。
交通の流れに乗れず煽られる場面はあるか
「モンキー125は車体が小さいから、車の流れに乗れずに煽られたりしないか」という不安を持つ方もいるかもしれません。この点については、4速モデルでも5速モデルでも、法定速度内で走行する限り、心配する必要はほとんどないと言えます。
日本の一般道の法定速度は、多くが60km/h以下です。モンキー125は、どちらのモデルでもこの速度域までスムーズに加速し、流れをリードすることも十分に可能です。特に5速モデルは、クロスミッション化により0km/hからの加速がより滑らかになっており、信号待ちからの発進などで後続車にストレスを与えることはないでしょう。
ただし、勾配のきつい登坂路などでは、パワーの差が感じられる場面もあるかもしれません。このような状況では、5速モデルの方がギアの選択肢が多いため、適切なギアを選ぶことでエンジンパワーを効率的に引き出し、速度の低下を防ぎやすいという利点があります。
いずれにしても、煽られるかどうかはバイクの性能よりも、周囲の交通状況や自身の運転マナーに起因することが多いです。車間距離を適切に保ち、流れを意識した運転を心がけることが、最も有効な対策と言えるでしょう。

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4速のほうが楽しい?エンジンフィーリング
バイクの「楽しさ」は、スペックの数値だけでは測れない部分にこそ存在します。エンジンフィーリングに関しても、4速と5速では異なる魅力があり、どちらがより「楽しい」と感じるかは個人の好みに大きく左右されます。
4速モデルのエンジンフィーリングは、一言でいえば「おおらか」で「牧歌的」です。一つ一つのギアが受け持つ速度域が広いため、アクセル操作に対してバイクがどっしりと応えてくれる感覚があります。特に低いギアでアクセルを大きく開けた時の、トコトコとした鼓動感を伴いながら力強く加速していく様は、これぞモンキーといった趣があり、多くのファンを魅了しています。ギアをトップの4速まで入れ、エンジンを回し切って走るという一体感も、4速ならではの楽しさです。
一方、5速モデルはより「スポーティ」で「洗練された」フィーリングが特徴です。クロスしたギア比のおかげで、シフトアップのたびに小気味よく速度が乗っていきます。エンジンを回して積極的にシフトチェンジを繰り返すことで、バイクと対話するようなライディングが楽しめます。ロングストローク化されたエンジンは、回転が滑らかで振動も少ないため、上質さを感じさせます。
どちらが優れているというわけではなく、のんびりとした鼓動感を楽しみたいなら4速、軽快でスポーティな走りを楽しみたいなら5速が、より魅力的に感じられるでしょう。

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カスタムベースとしての4速と5速の魅力
モンキー125の大きな魅力の一つに、豊富なカスタムパーツと、それによる「自分だけの一台」を作り上げる楽しみがあります。カスタムベースとして考える場合、4速モデルと5速モデルにはそれぞれ異なる魅力があります。
4速モデル(JB02)は、登場から時間が経っていることもあり、対応するカスタムパーツが非常に豊富です。エンジン系、吸排気系、外装、足回りと、あらゆるジャンルのパーツが国内外のメーカーからリリースされています。また、中古車価格が比較的安定しているため、車体価格を抑えた分をカスタム費用に充てやすいというメリットもあります。多くのユーザーによってカスタムが試されてきた歴史があるため、情報収集がしやすい点も魅力です。
対する5速モデル(JB03)は、最新のプラットフォームであることが最大の魅力です。新しいロングストロークエンジンや5速ミッションのポテンシャルを、カスタムによってさらに引き出す楽しみがあります。登場初期に比べるとパーツラインナップも充実してきており、最新の技術やデザインを取り入れたカスタムが可能です。新車や状態の良い中古車をベースに、長く付き合える一台をじっくりと仕上げていきたいと考えるライダーにとっては、非常に魅力的な選択肢と言えます。



まとめ:モンキー125の5速はいらないか
この記事を通して、モンキー125の4速モデルと5速モデルの様々な違いを解説してきました。最終的に「モンキー125に5速はいらない」という考え方があなたに当てはまるかどうか、判断の助けとなるポイントを以下にまとめます。
- モンキー125は2021年9月発売モデルから5速化された
- 5速化は新排ガス規制対応の新エンジン搭載に伴うもの
- 4速は型式JB02、5速は型式JB03として区別される
- 5速モデルは燃費性能と巡航時の快適性が向上している
- 4速モデルはギアを使い切る牧歌的な楽しさがある
- 5速モデルはクロスミッションでスポーティな加速感を持つ
- 最高速は5速化によって大きく変わるわけではない
- 5速の主なメリットはツーリング時の疲労軽減にある
- 街乗り中心であれば4速モデルでも全く不満はない
- むしろストップアンドゴーが多い場面では4速が楽な場合もある
- 登坂路などではギア選択の幅が広い5速が有利
- 法定速度内であればどちらのモデルも交通の流れに十分乗れる
- カスタムパーツの豊富さでは4速モデルに分がある
- 最新の性能をベースにカスタムしたいなら5速モデルが魅力的
- 最終的な選択はあなたの主な使い方と好みの乗り味で決まる