ホンダ・ダックス125は、そのユニークなデザインと取り回しの良さで人気のモデルですが、収納スペースが限られている点が悩みの種という方も少なくないでしょう。この課題を解決するため、ダックス125にサイドバッグやリアボックスを追加して積載性を向上させる方法を解説します。
この記事では、サイドバッグのおすすめモデルはもちろん、純正品との違いや雨の日も安心な防水性能の重要性に触れます。また、取り付けに不可欠なサイドバッグサポートは、武川やキジマといった人気メーカー品の特徴を比較。さらに、リアキャリアの耐荷重や大型モデルの選び方、純正キャリアとGIVI製リアボックスの相性といった専門的な情報から、正しいリアボックスの取り付け手順、そしてリアバッグやフロントバッグといった他の選択肢まで、あなたのバイクライフをより快適で豊かにするための情報を網羅的にお届けします。

HONDA公式
- サイドバッグやリアボックスの正しい選び方
- 主要メーカー製サポートやキャリアの特徴と比較
- ダックス125に最適な人気バッグとボックスの紹介
- 安全な取り付け方法と知っておくべき注意点
ダックス125サイドバッグ・リアボックス選びの前提
この章のポイント
- サイドバッグサポート武川・キジマ比較
- 失敗しないリアキャリアの耐荷重チェック
- 大型リアキャリアのメリット・デメリット
- 純正やGIVI対応リアキャリアの選び方
- 初心者でもわかるリアボックス取り付け
サイドバッグサポート武川・キジマ比較
ダックス125にサイドバッグを装着する際、安全性を確保するために不可欠なのがサイドバッグサポートです。これはバッグが走行中にタイヤやサスペンションに接触し、巻き込まれる危険な事故を防ぐための重要なパーツとなります。
市場には様々なメーカーからサポートが販売されていますが、特に人気が高いのがSP武川製とキタコ(KITACO)製です。
SP武川製のサイドバッグサポート(品番:09-11-0318)は、車両との固定箇所を3点にすることで、高い強度と安定性を実現しています。スチール製で許容積載量は5.0kgと堅牢な作りが特徴です。同社製のリアキャリアやグラブバーとの同時装着が可能で、システムとしての拡張性も考慮されています。

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一方、キタコ製のサイドバッグサポート(品番:80-655-13201)は、比較的リーズナブルな価格設定が魅力です。基本的な巻き込み防止機能は十分に果たし、コストを抑えたいユーザーにとって有力な選択肢となります。
どちらを選ぶかは、積載する荷物の重さや、他のカスタムパーツとの組み合わせ、そして予算によって考えるとよいでしょう。重い荷物を積む機会が多い、あるいは長期的な安心感を重視するなら武川製、まずは手軽にサイドバッグを試してみたいという場合はキタコ製が適していると考えられます。
メーカー | 主な特徴 | 許容積載量 | こんな人におすすめ |
SP武川 | 3点固定による高い剛性、拡張性 | 5.0kg | 重い荷物を積む、剛性を重視するユーザー |
キタコ | 比較的リーズナブルな価格 | (記載なし) | コストを抑えたい、手軽に始めたいユーザー |
デイトナ | 左側専用、ヘルメットホルダー付属 | (6L-12L向け) | 利便性を高めたい、ヘルメットの置き場に困るユーザー |
エンデュランス | 自社製キャリアとの高い親和性 | 5.0kg | 同社製キャリアと合わせて装着したいユーザー |
失敗しないリアキャリアの耐荷重チェック
リアボックスを設置するための土台となるリアキャリア選びで、最も注意すべきなのが「耐荷重」です。耐荷重とは、そのキャリアが安全に支えることができる荷物の重さの上限を指します。
この数値を超えて荷物を積載すると、キャリア本体の破損はもちろん、走行中のバランスが崩れて非常に危険です。特にダックス125のような小型バイクでは、車体バランスへの影響が大きくなるため、耐荷重の遵守は絶対条件と言えます。

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各メーカーのリアキャリアには、必ず最大積載量が明記されています。例えば、エンデュランス製のリアキャリア(品番:EM800K2WA1)は最大積載量8kgとなっており、これは市場の製品の中でも高い数値を誇ります。
リアボックスを選ぶ際には、ボックス自体の重量と、中に入れる荷物の重量の合計が、リアキャリアの耐荷重を超えないように計算する必要があります。例えば、本体重量4kgのリアボックスを設置した場合、エンデュランス製キャリアであれば残り4kgまでの荷物を積める計算です。この点を無視して過積載を続けると、金属疲労によるキャリアの破断や、フレームへのダメージにつながる可能性も否定できません。
大型リアキャリアのメリット・デメリット
ダックス125の積載能力を大幅に向上させたい場合、天板の面積が広い「大型リアキャリア」が選択肢に入ります。
メリット
大型リアキャリアの最大のメリットは、その高い積載能力にあります。大きなリアボックスを安定して設置できるほか、ボックスを載せない場合でも、大きなバッグやキャンプ道具などをツーリングネットやストラップで直接固定しやすいのが魅力です。荷台が広いため、荷物の重心を調整しやすく、安定した積載が可能となります。
デメリット
一方で、デメリットも存在します。まず、キャリア自体が大きく重くなるため、車両の重量が増加します。また、荷物を高く積むことになるため、バイク全体の重心が高くなり、特に低速走行時や停車時の取り回しに影響が出ることが考えられます。コーナリング性能にもわずかながら影響を与える可能性があるため、運転感覚の変化に慣れが必要です。
さらに、ダックス125のコンパクトでスタイリッシュなデザイン性を損なう可能性も考慮すべき点です。利便性を取るか、スタイルを重視するか、ご自身のバイクライフに合わせて慎重に判断することが求められます。
純正やGIVI対応リアキャリアの選び方
リアキャリアにはホンダの純正オプションパーツも存在しますが、社外品も非常に充実しており、それぞれに特徴があります。特に、リアボックスのトップブランドであるGIVI(ジビ)製のボックスを取り付けたい場合は、キャリア選びが重要になります。
GIVIのリアボックスには、主に「モノロック」と「モノキー」という2つの取り付け規格が存在します。
- モノロックケース: 主に小型から中型のバイク向けで、軽量かつ価格も手頃です。汎用の取り付けベースが付属しており、多くの社外キャリアに比較的簡単に取り付けられます。エンデュランス製のキャリアなどは、このモノロックベースの適合が確認されています。
- モノキーケース: 主に大型バイク向けで、より堅牢で耐荷重も高く、防水性・防犯性にも優れています。取り付けるには、車種専用または汎用のモノキーベースプレートが別途必要です。
したがって、GIVIのリアボックスを使用する予定があるなら、購入を検討しているリアキャリアが、希望するボックスの取り付けベース(モノロックまたはモノキー)に対応しているかを事前に必ず確認しなくてはなりません。メーカーのウェブサイトで適合情報を確認するか、バイクショップに相談するのが確実です。純正キャリアに社外ボックスを取り付ける際も同様に、ベースの適合確認が鍵となります。
初心者でもわかるリアボックス取り付け
リアボックスの取り付けは、正しい工具と手順を理解すれば、初心者の方でも十分に自分で行うことが可能です。バイクショップに依頼する工賃を節約できるため、DIYに挑戦する価値はあります。
基本的な取り付け手順は以下の通りです。
1. リアキャリアの装着
まず、バイク本体にリアキャリアを装着します。これは製品の取扱説明書に従い、指定されたボルトを適切なトルクで締め付ける作業です。ダックス125の場合、シート後方のボルトなどを利用して固定するタイプが主流です。
2. 取り付けベースの固定
次に、リアキャリアの上にリアボックスの取り付けベースプレートを固定します。GIVIのモノロックケースなどに付属する汎用ベースは、波状の金具とプレート、ボルトナットを使ってキャリアに挟み込むようにして固定します。このとき、ベースがキャリアの中央にくるように位置を調整し、前後左右から均等にボルトを締め込むのがポイントです。
3. リアボックス本体の装着
最後に、固定したベースプレートにリアボックス本体をはめ込み、「カチッ」とロック音がするまで確実に押し込みます。ぐらつきがないか、しっかりと固定されているかを最後に確認して作業は完了です。
作業に自信がない場合は、YouTubeなどで「ダックス125 リアボックス 取り付け」と検索すると、多くの参考動画が見つかります。動画で手順を予習してから取り組むと、よりスムーズに作業を進められるでしょう。

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ダックス125サイドバッグ・リアボックス製品紹介
ここでは、具体的におすすめのサイドバッグやリアボックスを紹介します。デザインや容量、機能性など、様々な観点からあなたのダックス125に最適な製品を見つけてください。
この章のポイント
- 用途で選ぶサイドバッグおすすめモデル
- ダックス125に似合う純正風サイドバッグ
- 雨の日も安心な防水サイドバッグの重要性
- 目的別リアボックスおすすめモデル
- リアバッグやフロントバッグという選択肢
用途で選ぶサイドバッグおすすめモデル
サイドバッグは容量やデザインが多岐にわたるため、ご自身の主な用途に合わせて選ぶのが失敗しないコツです。
普段使い・街乗り向け(5~10L程度)
通勤やちょっとした買い物など、日常的に使うのであれば、バイクのスタイルを崩さないコンパクトなモデルが適しています。
SP武川の「ツーリングバッグS」は約5Lと小ぶりながら、財布やスマートフォン、500mlペットボトルなどを収納するには十分です。ショルダーバッグとしても使える2way仕様で、バイクを離れる際にも便利な一品です。
また、エンデュランスの「サイドバッグ SBAGA1」は約6.45Lで、長財布も収まるスマートな形状が特徴。バイクに取り付けた際のかさばらないデザインを重視する方におすすめできます。
日帰り~1泊ツーリング向け(10~15L程度)
ツーリングで着替えや雨具、お土産などを積みたい場合は、10L以上の容量があると安心です。
ヘンリービギンズのサドルバッグシリーズは6L、10L、15Lと容量の選択肢が豊富。特に10Lや15Lモデルは、ミリタリー調のデザインがダックス125のアクティブな雰囲気にマッチします。
キジマの「K3 サイドバッグ タクティカル TC02」は13Lという十分な容量を持ちながら、手頃な価格帯で人気です。
また、kemimoto製のサイドバッグはレザー調のデザインで、ドリンクホルダーが付属するなど機能性にも優れています。
これらのモデルから、ご自身の使い方に最適な容量とデザインのバランスを考えて選ぶと、満足度の高い買い物ができるでしょう。
ダックス125に似合う純正風サイドバッグ
ホンダからダックス125専用の純正サイドバッグは公式にはラインナップされていません。しかし、社外品の中には、まるで純正品かのようにバイクのデザインに自然に溶け込むモデルが存在します。
「純正風」を求める場合、ポイントとなるのは「デザインのシンプルさ」「車体との一体感」「過度に主張しない色合い」です。
その点で有力な候補となるのが、SP武川の「ツーリングバッグS(ブラック)」です。ロゴも控えめなシンプルな角形で、どんな車体色にも違和感なく馴染みます。容量も約5Lとコンパクトなため、ダックス125の軽快なイメージを損ないません。

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また、エンデュランスの「サイドバッグ SBAGA1」も、車体に取り付けた際のスマートさが際立ちます。特に、バッグの横幅が大きすぎないため、後方から見たときに車体からのはみ出しが少なく、すっきりとした印象を与えます。
これらのバッグは、いかにも「後から付けました」という感じがなく、元からそこに備わっていたかのような自然なスタイリングを演出したいユーザーの期待に応えてくれるでしょう。
雨の日も安心な防水サイドバッグの重要性
バイクでの移動において、天候の急変はつきものです。特に、通勤やツーリングで毎日バイクに乗る方にとって、バッグの防水性能は非常に重要な選択基準となります。
防水性能を持たないバッグの場合、突然の雨で中に入れた書類や電子機器、着替えなどが濡れてしまい、取り返しのつかない事態になる可能性があります。その都度レインカバーを被せる方法もありますが、手間がかかる上に、走行中にカバーが風でばたついてしまうこともあります。
そこで便利なのが、バッグ本体やインナーバッグに防水素材を使用した「防水サイドバッグ」です。
ヘンリービギンズのサドルバッグWR(ウォーターレジスタント)シリーズは、縫い目のないシームレスインナーを採用し、高い防水性を確保しています。これなら、天候を気にすることなく、安心して荷物を運ぶことが可能です。
価格は非防水モデルに比べて少し高くなる傾向がありますが、荷物を水濡れから守るという安心感は、その価格差以上の価値があると言えます。特に、PCやタブレットなどの電子機器を持ち運ぶ機会が多い方は、防水モデルを選ぶことを強く推奨します。一度経験すると、もう非防水モデルには戻れないほどの快適さを提供してくれます。
目的別リアボックスおすすめモデル
リアボックスもサイドバッグ同様、目的に合わせて容量やタイプを選ぶことが大切です。世界的なトップブランドであるGIVI製品を中心に、目的別のおすすめモデルを紹介します。
普段使い・通勤通学向け(30L前後)
日常的に使うなら、フルフェイスヘルメットが1つ収納できる30L前後のサイズが最も使いやすく、車体とのバランスも良好です。
GIVIの「E300N2」は約30Lで、コンパクトながらヘルメットやA4ファイル、雨具などを収納するには十分な容量を持っています。価格も手頃で、リアボックス入門にも最適なモデルです。
また、スクエアな形状が好みなら、同じくGIVIの「B32 BOLD」がおすすめです。32Lの容量で、ビジネスバッグなどもすっきりと収まります。
ツーリング・キャンプ向け(40L以上)
多くの荷物を積載したい場合は、40L以上の大容量モデルが頼りになります。
GIVIの「E43NTL」は43Lのスクエアタイプで、キャンプ道具なども積載しやすい形状です。モノロックシリーズなので、大容量ながら比較的軽量なのも嬉しいポイントです。
さらにタフさと積載量を求めるなら、アルミ製のケースも視野に入ります。GIVIの「TREKKER DOLOMITI」シリーズは、その堅牢な作りと冒険心をくすぐるデザインで人気があります。ただし、重量があるため、リアキャリアの耐荷重には一層の注意が必要です。

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リアバッグやフロントバッグという選択肢
積載性を向上させる方法は、サイドバッグやリアボックスだけではありません。「リアバッグ」や「フロントバッグ」という選択肢も存在します。

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リアバッグ(シートバッグ)
リアバッグは、リアシート(タンデムシート)の上に取り付けるバッグのことです。リアキャリアが不要で、取り付け・取り外しがベルトで簡単にできるのが最大のメリットです。重心がバイクの中央に近くなるため、リアボックスに比べて走行安定性への影響が少ないとされています。使わないときは外しておけるので、バイク本来のスタイルを維持したい方にも適しています。ただし、二人乗りができなくなる点と、防犯性はリアボックスに劣る点がデメリットです。
フロントバッグ(ハンドルバッグ)
フロントバッグは、ハンドル周りに取り付ける小型のバッグです。ラフアンドロードの「AQA DRY ハンドルバッグ」のように、スマートフォンや財布、チケットなど、頻繁に出し入れする小物を収納するのに非常に便利です。防水仕様のものを選べば、ナビ代わりのスマートフォンを雨から守ることもできます。降車時にショルダーバッグとして持ち運べるモデルも多く、利便性の高いアイテムです。
これらのバッグをサイドバッグやリアボックスと組み合わせることで、さらに積載性を拡張し、用途に応じた最適なパッキングを実現できます。



最適なダックス125サイドバッグリアボックス選び
ここまで、ダックス125の積載性を向上させるための様々な方法を解説してきました。サイドバッグとリアボックス、それぞれにメリットがあり、どちらを選ぶか、あるいは両方を取り付けるかは、あなたのバイクライフのスタイルによって決まります。この記事で紹介した情報を基に、ご自身の使い方に最も合ったダックス125のサイドバッグとリアボックスを見つけ、より快適で便利なバイクライフをお楽しみください。
- ダックス125の積載性向上にはサイドバッグやリアボックスが有効
- サイドバッグの装着には巻き込み事故を防ぐサポートが必須
- サイドバッグサポートは武川、キタコ、デイトナなどが主要メーカー
- リアボックスの設置にはまずリアキャリアの装着が前提となる
- リアキャリア選びでは耐荷重の確認が最も重要
- GIVIなどの人気ボックスはキャリアとの取り付け適合確認を忘れずに
- サイドバッグは用途に合わせて5Lから15L以上まで容量で選ぶ
- 雨天時の利用を考えるなら防水仕様のサイドバッグが安心
- リアボックスはヘルメット収納も可能な30L以上が人気
- 大容量のボックスやキャリアは重心が高くなり操縦性に影響する場合も
- 取り付けはDIYも可能だが、工具の準備と正しい手順の確認が必要
- 純正風のスタイルを求めるならシンプルで小型のバッグがおすすめ
- リアキャリア不要で手軽なリアバッグ(シートバッグ)という選択肢もある
- スマホや財布の収納にはハンドル周りのフロントバッグが便利
- 最終的にはデザイン、容量、予算、使用頻度のバランスで判断する