ホンダの人気オフロードバイク、CRF250Lシリーズ。その購入を検討する中で、多くの人が「CRF250LとCRF250L(S)の違い」という疑問に直面します。ぱっと見でのCRF250LとCRF250L(S)の見分け方も難しく、特にCRF250L(S)の足つきは、乗り手を選ぶ重要な判断材料です。
また、そもそもCRF250Lを選ぶ人はどんな使い方を想定しているのか、航続距離の目安としてCRF250Lは何キロまで乗れるのか、といった基本的な性能も気になるところでしょう。さらに、よく比較されるCRF250LとCRF250RALLYの違いや、その上級モデルであるCRF250ラリー(S)とは何かも知っておきたいですし、噂されるCRF250Lのモデルチェンジ 2025年の動向も、購入時期を考える上では見逃せない情報です。
この記事では、これらの複雑な情報を一つひとつ丁寧に解きほぐし、あなたが自分のライディングスタイルに合った後悔のない一台を見つけるための、全ての情報をお届けします。
- CRF250LとCRF250L(S)のスペックの明確な違い
- シート高や足つき性の具体的な比較
- 街乗りとオフロード、用途別の最適なモデル
- RALLYモデルとの違いや将来のモデルチェンジ情報

@HONDA
スペックで見るCRF250LとCRF250L(S)の違い
この章のポイント
- 比較の基本となるCRF250L(S) シート高
- CRF250L(S) 足つきはどれくらい違う?
- 街乗り派のCRF250Lを選ぶ人とは?
- 外観でのCRF250LとCRF250L(S)の見分け方
- 航続距離は?CRF250Lは何キロまで乗れるか
- CRF250L vs CRF250L(S) 主な違いの比較表
比較の基本となるCRF250L(S) シート高
CRF250LとCRF250L(S)を比較する上で、最も基本的かつ重要な違いがシート高です。具体的には、CRF250Lが830mm、CRF250L(S)が880mmとなっており、その差は50mmにもなります。
この差が生まれる理由は、サスペンションの設計思想にあります。(S)モデルは、より本格的なオフロード走行を想定し、衝撃吸収能力を高めるためにサスペンションのストローク量(動く幅)を長く設定しています。その結果、車体全体がリフトアップされ、シート高も必然的に高くなっているのです。
例えば、身長175cmのライダーが跨った場合、CRF250Lでは両足のかかとまで地面に着き、大きな安心感が得られます。しかしCRF250L(S)ではつま先立ちになることが多く、停止時には少し気を使う場面が出てくるかもしれません。
このように、50mmという数値は単なる高さの違いではなく、オフロードでの走破性と、日常的な扱いやすさとのトレードオフ関係を象徴しています。この点を理解することが、両モデルを比較する上での第一歩となります。

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CRF250L(S) 足つきはどれくらい違う?
前述の通り、CRF250L(S)のシート高は880mmと高めの設定のため、足つき性はライダーの体格によって大きく印象が変わる部分です。
数値だけを見ると、特に身長が170cm未満の方やバイク初心者の方は、不安を感じるかもしれません。ただ、CRF250Lシリーズの大きな魅力の一つに、141kgという車両重量の軽さがあります。この軽さのおかげで、たとえ片足のつま先しか接地しなくても、車体を支える負担は比較的少なく済みます。
もちろん、注意点もあります。平坦な舗装路での停止は問題なくても、地面が傾斜していたり、砂利道のような不安定な場所で足を着いたりする際には、バランスを崩しやすくなる可能性があります。特に林道でのUターンや、予期せぬエンスト時には、足がすぐに着かないことがリスクにつながる場面も考えられます。
以上の点を踏まえると、CRF250L(S)の足つきを判断するには、カタログスペックだけでなく、実際に販売店で跨ってみることが不可欠です。可能であれば、普段使用するライディングブーツを履いた状態で確認することで、より正確な感覚をつかむことができるでしょう。

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街乗り派のCRF250Lを選ぶ人とは?
CRF250Lを選ぶ人は、主に日常の足としての利便性や、舗装路での快適な走行性能を重視するライダーと言えます。通勤や通学、市街地の移動、そして週末のツーリングがバイクライフの中心となる方に、最適な選択肢となります。
その最大の理由は、830mmという扱いやすいシート高にあります。この優れた足つき性は、信号待ちの多い都市部でのストップアンドゴーにおいて、精神的な余裕と大きな安心感をもたらしてくれます。また、(S)モデルに比べてサスペンションのストロークが短いため、加減速時の車体の姿勢変化が少なく、オンロードでよりダイレクトかつ安定した走りを楽しめるという特徴も持ち合わせています。
もちろん、CRF250Lはオフロード走行が不得意なわけではありません。たまにフラットな林道へツーリングに出かけるといった使い方であれば、その走破性には何ら不満を感じないレベルに仕上がっています。
したがって、日常の使い勝手を最優先しつつ、オフロードの世界も少しだけ体験してみたい、というバランスの取れた使い方を想定している方に、CRF250Lは最もフィットする一台です。
外観でのCRF250LとCRF250L(S)の見分け方
CRF250LとCRF250L(S)は、一見すると非常によく似ていますが、いくつかのポイントを押さえることで簡単に見分けることが可能です。
カラーリング
2023年以降の現行モデルでは、標準カラーがそれぞれ専用色となっています。これが最も分かりやすい識別点です。
- CRF250L:都会的で洗練された印象の「スウィフトグレー」
- CRF250L(S):オフロードイメージを強調する「エクストリームレッド」
その他の物理的な違い
カラー以外にも、車高の違いから生じる物理的な差があります。
- シートの厚み:(S)モデルはサスペンションストロークが長い分、シートのウレタンも厚く作られています。
- サイドスタンドの長さ:車高が高い(S)モデルの方が、サイドスタンドも長くなっています。
ただし、中古車を検討する際には注意が必要です。年式によってはカラーリングが異なる場合や、前のオーナーがパーツをカスタムしている可能性があります。そのため、中古車の場合は外観だけでなく、車体番号から年式を特定し、スペック表でシート高やサスペンションストロークの数値を確認するのが最も確実な方法と言えるでしょう。

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航続距離は?CRF250Lは何キロまで乗れるか
CRF250LとCRF250L(S)の航続距離は、どちらのモデルを選んでも全く同じです。両モデルは共通の7.8L容量の燃料タンクを搭載しており、走行可能な距離はライダーの走り方や環境によって変動します。
メーカーが公表しているWMTCモード値(国際基準に基づいた燃費測定法)によると、燃費は33.7km/Lとされています。この数値を基に計算すると、満タン時の航続距離は「7.8L × 33.7km/L = 約263km」となります。
しかし、これはあくまで一定の条件下での理論値です。実際の燃費は、市街地での頻繁な停止・発進、高速道路での高回転走行、林道での低速走行など、様々な要因で変わってきます。多くのユーザーレポートを総合すると、実燃費は概ね1リッターあたり30km前後になることが多いようです。
これらのことから、安心して走行できる距離の目安としては、250km前後と考えておくと良いでしょう。日帰りツーリングには十分な距離ですが、ガソリンスタンドが少ない山間部などへ長距離を走る場合は、早めの給油計画を立てておくと、より安心してライディングを楽しむことができます。

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CRF250L vs CRF250L(S) 主な違いのまとめ
項目 | CRF250L | CRF250L(S) | 違いのポイント |
コンセプト | 街乗りからツーリングまでこなす万能モデル | オフロードでの走破性を追求した本格派モデル | メインステージが異なる |
シート高 | 830mm | 880mm | 50mmの差があり、足つき性に大きく影響 |
最低地上高 | 245mm | 285mm | 40mm高く、障害物への対応力が向上 |
サスペンションストローク(前/後) | 235mm / 230mm | 260mm / 260mm | (S)の方が長く、悪路での衝撃吸収性が高い |
足つきの目安 | 身長170cm前後でも安心感がある | 身長によってはつま先立ちになる | 乗り手を選ぶが、車体が軽くカバーできる |
おすすめの用途 | 通勤・通学、舗装路ツーリング、軽い林道 | 林道ツーリング、本格的なダート走行 | オフロードへの本気度で選択 |
オンロードでの乗り味 | キビキビとして安定感が高い | 姿勢変化が大きく、やや大柄な印象 | オンロードでの快適性はLに軍配 |
カラー(2023年以降) | スウィフトグレー | エクストリームレッド | カラーリングで簡単に見分けられる |
価格(税込) ※2025/06現在 | 649,000円 | 649,000円 | 価格は同一 |



CRF250LとCRF250L(S)の違いで迷う人へのQ&A
この章のポイント
- CRF250LとCRF250RALLYの違いを解説
- 派生モデルのCRF250ラリー(S)とは何?
- CRF250Lの新車最安値はどこで探す?
- 最高速は変わる?CRF250L フルパワー化
- CRF250L モデルチェンジ 2025年の噂
- 用途で選ぶCRF250LとCRF250L(S)の違い総まとめ
CRF250LとCRF250RALLYの違いを解説
CRF250Lシリーズを検討していると、派生モデルである「CRF250 RALLY」の存在も気になってくるはずです。両者は同じ基本骨格を持つ兄弟車ですが、そのコンセプトと装備は大きく異なり、全く別の乗り物と言っても過言ではありません。
端的に言えば、RALLYはLをベースに、長距離ツーリングでの快適性と冒険性能を追求したアドベンチャーモデルです。
項目 | CRF250L/L(S) | CRF250 RALLY/RALLY(S) |
コンセプト | オフロード走行と日常の利便性 | 長距離・高速走行を伴うアドベンチャー |
外観 | スリムで軽快なオフロードスタイル | 大型のスクリーンとカウルを装備 |
燃料タンク容量 | 7.8L | 12L |
車両重量 | 141kg | 153kg |
主な用途 | 街乗り、林道走行 | 高速道路を使ったロングツーリング |
RALLYの最大の特徴は、大型のウインドスクリーンとフロントカウルによる優れた防風性能、そして12Lの大容量燃料タンクがもたらす圧倒的な航続距離にあります。これにより、高速道路を使った長距離移動でのライダーの疲労を大幅に軽減します。一方で、装備が増えた分、車両重量はLよりも12kg重く、オフロードでの軽快さではLに軍配が上がります。どちらを選ぶかは、林道での走りを重視するか、旅の快適性を重視するかで決まると言えるでしょう。

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派生モデルのCRF250ラリー(S)とは何?
CRF250 RALLY(S)は、標準のCRF250 RALLYをベースに、さらにオフロード性能を特化させた最上位モデルです。その関係性は、CRF250LとCRF250L(S)の関係と全く同じと考えて差し支えありません。
具体的には、サスペンションのストロークを伸ばすことで、走破性を向上させています。標準RALLYのシート高が830mmであるのに対し、RALLY(S)は885mmと、55mmも高くなります。また、最低地上高も220mmから275mmへと大きく引き上げられており、より困難な路面状況にも対応できる設計です。
ただ、この性能向上にはトレードオフが伴います。シート高885mmはシリーズで最も高く、足つき性は非常にシビアになります。加えて、ベースとなっているRALLYの車重153kgと高い重心位置が相まって、取り回しには相応の体格と技術が求められます。
これらのことから、CRF250 RALLY(S)は、ロングツーリングの快適性を確保しつつ、旅先での本格的なオフロード走行も妥協したくない、という非常にアクティブなライダー向けの、特別な一台と位置づけられています。

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CRF250Lの新車最安値はどこで探す?
CRF250Lの新車を少しでもお得に購入したい場合、「乗り出し価格」に着目することが大切です。メーカー希望小売価格は全国一律ですが、最終的に支払う総額は販売店によって変わってきます。
乗り出し価格とは、車両本体価格に加えて、自賠責保険料や各種税金、そして販売店が独自に設定する「登録代行手数料」や「納車整備費用」といった諸費用を合計した金額です。この諸費用部分が、販売店ごとの価格差を生む主な要因となっています。
最安値を探すための具体的なステップは以下の通りです。
- 複数の店舗から見積もりを取得するまずは、お住まいの地域のホンダ正規取扱店や大手バイク販売チェーン店など、複数の店舗を訪れて乗り出し価格の見積もりを依頼しましょう。これが比較検討の基本となります。
- セールやキャンペーン情報を活用する販売店によっては、決算期や特定の時期に独自のキャンペーンを実施することがあります。タイミングを合わせて商談することで、通常より有利な条件を引き出せる可能性があります。
- 少し広いエリアで探してみるバイクの価格は、地域によって競争の激しさが異なります。もし可能であれば、隣接する都道府県の販売店まで範囲を広げて調べてみると、思わぬ好条件の店舗が見つかるかもしれません。
単純な車両本体の価格表示だけでなく、諸費用を含めた総支払額で比較することが、賢く購入するための鍵となります。
最高速は変わる?CRF250L フルパワー化
CRF250Lの性能をさらに引き出す「フルパワー化」というカスタムは、最高速の向上につながる可能性があります。このカスタムは、主にマフラーやECU(エンジン・コントロール・ユニット)のセッティングを変更することで、エンジン本来のポテンシャルを解放することを目指すものです。
市販車は、排出ガスや騒音といった厳しい環境規制をクリアするために、性能が意図的に抑制されている場合があります。フルパワー化は、これらの制約を取り払うことで、より高い出力やトルクを得ようとするアプローチです。
しかし、このカスタムにはメリットだけでなく、多くのリスクや注意点が存在します。
- メリット:出力が向上し、加速性能や高速域での伸びが改善されることが期待できます。
- デメリット:まず、メーカー保証の対象外となることがほとんどです。また、エンジンに負荷がかかるため寿命を縮める可能性や、燃費が悪化することも考えられます。さらに、改造内容によっては規制値をオーバーし、車検に通らなくなるリスクも伴います。
フルパワー化には専門的な知識と技術が不可欠です。もし興味がある場合は、こうしたリスクを十分に理解した上で、カスタム経験が豊富で信頼できるバイクショップに相談することをお勧めします。
CRF250L モデルチェンジ 2025年の噂
現在(2025年6月時点)、CRF250Lが2025年内にモデルチェンジするという公式情報は、本田技研工業から一切発表されていません。したがって、インターネット上で見かける情報は、現時点ではすべてユーザー間の期待や憶測に基づくものと捉えるのが妥当です。
現行モデル(MD47型)は、2021年に大規模なフルモデルチェンジが行われ、その後2023年1月に最新の排出ガス規制に対応したばかりです。バイク業界の一般的なモデルチェンジの周期を考慮すると、規制対応からわずか2年あまりで再び大きな変更が加えられる可能性は低いと考えられます。
もちろん、将来的にエンジンの改良や電装系のアップデートが行われる可能性はありますが、それが2025年中に行われるという確証はありません。
以上の状況から、モデルチェンジの噂を待って購入を見合わせるよりも、完成度が非常に高く、市場で高い評価を得ている現行モデルを検討する方が、現実的かつ満足度の高い選択となる可能性が高いと言えるでしょう。



用途で選ぶCRF250LとCRF250L(S)の違い総まとめ
- CRF250Lと(S)の核心的な違いはシート高とサスペンション性能
- CRF250Lのシート高は830mmで足つきの良さが最大の魅力
- CRF250L(S)のシート高は880mmで本格オフロードに対応
- 50mmのシート高の差がバイクの性格を大きく分けている
- 日常の利便性と街乗り中心ならCRF250Lが最適
- CRF250Lは舗装路で安定したキビキビとした走りを楽しめる
- 林道走行やダートでの走破性を求めるならCRF250L(S)
- CRF250L(S)の長いサスは荒れた路面で真価を発揮する
- 現行モデルはカラーリングで見分け可能(Lはグレー、(S)はレッド)
- 燃料タンクは共通で7.8L、航続距離の目安は約250km
- CRF250 RALLYは長距離ツーリングに特化した派生モデル
- RALLYは大型スクリーンと12Lタンクで高速走行が快適
- RALLY(S)はRALLYのオフロード性能を極限まで高めたモデル
- 購入前には必ず実車にまたがり足つきを確認することが大切
- 自分のライディングスタイルに合った一台を選ぶことが後悔しない鍵