カワサキのクラシックバイクを代表するメグロK3とW800。基本コンポーネンツを共有しながらも、その乗り味や雰囲気は異なります。カワサキ メグロK3とW800の違いが分からず、購入を迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、メグロK3とW800 それぞれの特徴を比較し、メグロK3とW800 それぞれどういう人に合っているかを徹底的に解説します。また、メグロK3 ダサいという評判の真相や、人気のあまりメグロK3は買えないと言われる理由、さらにメグロK3が女子ライダーにどう受け入れられているかや、メグロK3のカスタムについても触れていきます。
この記事を読めば、両車の本質的な違いを理解し、あなたにとって最高のパートナーとなる一台を見つけることができるでしょう。
- メグロK3とW800のスペックと乗り味の具体的な違い
- 外観や装備からわかる簡単な見分け方
- それぞれのモデルに最適なライダー像と選び方のポイント
- 購入前に知っておきたい評判や入手性、カスタム情報

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スペックで比較するカワサキ メグロK3とW800の違い
この章のポイント
- メグロK3とW800 それぞれの特徴を解説
- 共通?メグロK3のエンジンは何cc?
- 外観でわかるメグロK3とW800の違い 見分け方
- 愛称はある?W800はなんて呼ばれてる?
- メグロK3とW800 それぞれどういう人に合っているか
メグロK3とW800 それぞれの特徴を解説
メグロK3とW800は、同じ血統を持つ兄弟車でありながら、それぞれに明確なキャラクターが与えられています。大まかに分けると、メグロK3は「風格と重厚感」、W800は「軽快さとスポーティさ」が際立つ特徴と言えます。
このキャラクターの違いを生み出している最大の要因は、ハンドルバーの形状とそれに伴うライディングポジションです。メグロK3は幅が広くライダーの近くに引かれたアップハンドルを採用しており、上半身が起き上がったリラックスした姿勢になります。これは、街中をゆったりと流したり、景色を楽しんだりするクルージングに適しています。
一方、W800のハンドルはメグロK3に比べて低く、やや前傾姿勢となるポジションです。これによりフロントタイヤに荷重をかけやすくなり、カーブが続く道でより積極的なバイク操作を楽しむことができます。
このように、基本設計は同じでも、与えられた役割や目指す世界観によって、両車は似て非なる魅力を持つバイクに仕上げられているのです。

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共通?メグロK3のエンジンは何cc?
メグロK3とW800が搭載するエンジンは、スペック上は完全に共通です。排気量は773ccの空冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒エンジンで、その美しい造形から「バーチカルツイン」とも呼ばれています。
このエンジンは、カワサキが長年熟成を重ねてきたWシリーズの心臓部であり、信頼性と味わい深さを両立しています。最高出力は52PS/6,500rpm、最大トルクは62N・m/4,800rpmを発揮し、特に低中回転域での力強い鼓動感とトルクフルな加速が魅力です。アクセルを不用意に大きく開けてしまっても急に飛び出すことがなく、穏やかに力強く加速していくため、非常に扱いやすい特性を持っています。
両車のエンジンに性能差はありませんが、見た目の上では細かな差別化が図られています。例えば、エンジンの右サイドにある、このエンジンの象徴とも言えるベベルギアカバーに注目すると、メグロK3には赤い差し色が施されており、特別なモデルであることをさりげなく主張しています。
性能は同じでも、細部の仕上げでそれぞれの世界観を表現する、カワサキのこだわりが感じられる部分です。
はい、承知いたしました。カワサキ メグロK3とW800のスペック上の主な違いを表にまとめました。
基本的にエンジン性能やフレームは共通ですが、ハンドル形状の違いによる車体の寸法と、それに伴う車両重量が主な違いとなります。
カワサキ メグロK3 vs W800 スペック比較表
スペック項目 | MEGURO K3 | W800 | 違いのポイント |
全長 | 2,190mm | 2,190mm | 共通 |
全幅 | 925mm | 790mm | ハンドル幅の違いでメグロが135mmワイド |
全高 | 1,130mm | 1,075mm | ハンドル高の違いでメグロが55mm高い |
シート高 | 790mm | 790mm | 共通 |
車両重量 | 227kg | 226kg | メグロが1kg重い |
エンジン | 空冷4ストローク並列2気筒 / 773cc | 空冷4ストローク並列2気筒 / 773cc | 共通 |
最高出力 | 38kW (52PS) / 6,500rpm | 38kW (52PS) / 6,500rpm | 共通 |
最大トルク | 62N・m (6.3kgf・m) / 4,800rpm | 62N・m (6.3kgf・m) / 4,800rpm | 共通 |
燃料タンク容量 | 15L | 15L | 共通 |
タイヤサイズ(前) | 100/90-19M/C 57H | 100/90-19M/C 57H | 共通 |
タイヤサイズ(後) | 130/80-18M/C 66H | 130/80-18M/C 66H | 共通 |
※上記のスペックは、2025年モデルの現行車(型式:8BL-EJ800E)を基準にしています。年式により細部が異なる場合があります。
外観でわかるメグロK3とW800の違い 見分け方
メグロK3とW800は、一見するとシルエットが似ていますが、細部を注意深く見ることで簡単に見分けることが可能です。両車のコンセプトの違いは、外装パーツの仕上げに明確に表れています。
項目 | メグロK3 | W800 |
燃料タンク | 銀鏡塗装+黒基調の専用塗装、手作業彩色のエンブレム | メタリック塗装、クロームメッキパーツ多用 |
シート | プレーンな表皮のフラットシート | クラシカルなタックロールシート |
リアサスペンション | スプリング部を覆うフルカバー付き | スプリングが見える軽快なカバーなし |
メーター周り | 全体的にブラックアウトされたパネルとベゼル | クロームメッキ仕上げのベゼル |
最も分かりやすいのは燃料タンクでしょう。メグロK3は、クロームメッキとは異なる深みのある輝きを放つ「銀鏡塗装」が施され、職人が手作業で彩色したというこだわりのエンブレムが装着されています。対してW800は、鮮やかなメタリック塗装とクロームメッキのエンブレムが特徴です。
その他、シートの表皮デザイン、リアサスペンションのカバーの有無、メーター周りの仕上げ(メグロK3は黒、W800はメッキ)など、各所に違いが見られます。これらの点を押さえておけば、実車を前にした際、どちらのモデルか一目で判断することができるでしょう。

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愛称はある?W800はなんて呼ばれてる?
W800というモデル自体に特定の愛称が広く定着しているわけではありませんが、このバイクが属するカワサキのWシリーズ全体が、ファンの間では「ダブ」や、単純に「W(ダブリュー)」という愛称で親しまれています。
この愛称のルーツは、1966年に登場した歴史的な名車「650-W1」にあります。当時、このW1が「ダブワン」と呼ばれていたことから、その後継モデルであるW3、そして時代を経て復活したW650、現在のW800に至るまで、その系譜全体が「ダブ」と呼ばれるようになりました。
つまり、「W800はなんて呼ばれてる?」という問いに対しては、「Wシリーズの愛称である『ダブ』と呼ばれることがある」というのが答えになります。この愛称は、単なる呼び名以上に、メグロK3から始まりW1で花開いた、カワサキの4ストローク大排気量モデルの長い歴史と伝統を受け継ぐモデルであることの証しでもあるのです。
メグロK3とW800 それぞれどういう人に合っているか
メグロK3とW800、どちらを選ぶべきかは、ライダーがバイクに何を求めるかによって明確に分かれます。両車のキャラクターを踏まえると、それぞれに最適なライダー像が見えてきます。
メグロK3が合っている人
メグロK3は、バイクの持つ歴史や物語、そして工芸品のような所有感を重視する人に向いています。アップライトなライディングポジションは、急かされることなく、ゆったりとしたペースで景色やエンジンの鼓動を楽しむ乗り方に最適です。飛ばすことよりも、バイクと共に過ごす時間の質を大切にしたい、そんな大人のライダーにこそふさわしい一台と言えます。
W800が合っている人
一方のW800は、クラシカルなスタイルは好きだけれども、走りも楽しみたいというスポーティな志向を持つ人に合っています。メグロK3よりやや前傾のポジションは、ワインディングロードでバイクを積極的に操る楽しさを提供してくれます。もちろん街乗りも快適で、クラシックバイクの見た目と現代的な走行性能をバランス良く両立させたい方にぴったりの選択肢です。
要するに、「風格を味わいながらゆったり流すメグロK3」か、「走りも楽しむ軽快なW800」か、という観点で自分のライディングスタイルと照らし合わせることが、最適なモデル選びの鍵となります。

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購入前に知るカワサキ メグロK3とW800の違いとQ&A
この章のポイント
- メグロK3 ダサいという評判は本当?
- メグロK3は女子ライダーにも人気?
- メグロK3 買えないなら中古市場は?
- メグロK3 カスタムで個性を出すには
- 結局メグロK3とW800 どっちが良いの?
- 総括:あなたに合うカワサキ メグロK3とW800の違い
メグロK3 ダサいという評判は本当?
「メグロK3はダサい」という評価は、インターネット上で稀に見かけることがありますが、これは個人の好みに大きく左右される意見であり、大多数の評価とは異なると考えられます。むしろ、そのデザインは「重厚で美しい」「工芸品のようだ」と高く評価されることがほとんどです。
「ダサい」と感じる人がいるとすれば、その理由はメグロK3のデザインが徹底してクラシカルである点にあるかもしれません。最新のスポーツバイクに見られるようなシャープなラインや先進的なデザインとは対極にあるため、現代的なスタイルを好む方には古臭く映る可能性があります。
しかし、メグロK3のデザインの本質は、歴史への敬意にあります。クロームメッキとは一線を画す銀鏡塗装、手作業で彩色されたエンブレム、スチール製の前後フェンダーなど、各部の仕上げは非常に質が高く、独特の風格を醸し出しています。
このように、メグロK3のデザインは、流行を追うのではなく、時代を超えた普遍的な美しさを目指したものです。これを「ダサい」と感じるか「美しい」と感じるかは、見る人の価値観次第であり、バイクのデザインに対する評価の一つとして捉えるのが良いでしょう。
メグロK3は女子ライダーにも人気?
メグロK3の持つクラシカルで上品な佇まいは、性別を問わず多くのライダーを魅了しており、女子ライダーからの関心も高いモデルです。落ち着いたデザインと、バイクが持つ歴史的な背景に魅力を感じる女性は少なくありません。
ただし、女性が乗る上では、いくつか考慮すべき点があります。まず、車両重量が227kgと、決して軽くはないことです。シート高自体は790mmで、身長160cm台の方でも両足のつま先が接地するレベルですが、問題は引き起こしや駐車場での取り回しです。特にメグロK3の幅が広いアップハンドルは、小柄な方だと力が入れにくく、車体が重く感じられる可能性があります。
実際に、販売店では足つきの良さからW800の派生モデルであった「W800 STREET」(中古車)を検討する女性もいるようです。
もちろん、体力や技量には個人差があるため、一概に「女性には不向き」ということは全くありません。もしメグロK3に興味がある女子ライダーの方は、デザインだけで判断せず、必ず販売店で実車に跨り、可能であれば引き起こしや少し動かしてみるなど、自身の体格で無理なく扱えるかをしっかりと確認することが大切です。

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メグロK3 買えないなら中古市場は?
「メグロK3は買えない」という声が聞かれることがありますが、これには主に二つの理由が考えられます。一つは、W800と比べて約16.5万円高いプレミアムな価格設定。もう一つは、その人気とこだわりの生産方式から、新車の供給が需要に追い付かず、納期がかかる場合があることです。
もし新車での購入が難しい、あるいは予算的に厳しいという場合、中古市場に目を向けるのは非常に有効な選択肢となります。メグロK3は2021年に発売された比較的新しいモデルのため、中古車として流通している車両は、状態の良いものが多い傾向にあります。
中古車を探す際は、以下のような方法があります。
- 大手バイク情報サイトの活用:全国のバイクショップの在庫を一度に検索でき、相場観を掴むのに役立ちます。
- カワサキ正規取扱店の認定中古車:「カワサキプラザ」などで扱われる認定中古車は、品質や保証の面で安心感が高い選択肢です。
ただし、中古車は一台一台コンディションが異なります。購入を検討する際は、走行距離や車体の傷だけでなく、エンジン音や消耗品の具合などを、できる限り自分の目で確認することが重要です。新車が「買えない」状況でも、中古市場を上手に活用すれば、憧れのメグロK3オーナーになる道は開かれています。
メグロK3 カスタムで個性を出すには
メグロK3は、その完成されたデザインと世界観から、ノーマルの状態で乗ることを好むオーナーが多いバイクです。メーカー自身も「余計な手を加えるのは美を崩す」というメッセージを発信しているかのように、デザインの完成度には並々ならぬ自信がうかがえます。
そのため、性能を大きく変えるような過度なカスタムよりも、バイク本来の美しさを損なわず、実用性や快適性を向上させる方向性のカスタムが主流となっています。
具体的には、以下のようなパーツが人気です。
- 積載性を高めるパーツ:クラシカルなデザインのサイドバッグを取り付けるための「サドルバッグサポート」や、ツーリングで荷物を積むための「リアキャリア」は定番です。
- 安全性を高めるパーツ:万が一の転倒に備える「エンジンガード」や、後方の映像を記録する「ドライブレコーダー」は、安心してバイクライフを楽しむための投資と言えます。
- 快適性を向上させるパーツ:スマートフォンをナビとして使用するための「USB電源」や、冬場のライディングを快適にする「グリップヒーター」は、実用性の高い人気のカスタムです。
このように、メグロK3のカスタムは、バイクの持つ世界観を尊重しつつ、自分の使い方に合わせて少しだけ便利にする、という大人のアプローチが似合います。

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結局メグロK3とW800 どっちが良いの?
ここまで様々な違いを解説してきましたが、最終的に「メグロK3とW800のどちらが良いか」という問いへの答えは、ライダー自身がバイクに何を求めるか、という価値観に委ねられます。両車に性能的な優劣はなく、どちらが優れているかという議論は意味を成しません。
選択の決め手となるのは、両車が持つ「世界観」と「乗り味」のどちらに強く惹かれるかです。
W800と比べて約16.5万円高い価格を支払ってでも、メグロK3というブランドが持つ長い歴史の物語や、銀鏡塗装などの特別な仕上げがもたらす所有感を手にしたいのであれば、選ぶべきは間違いなくメグロK3です。
一方で、クラシカルな見た目は好きだけれども、より軽快でスポーティな走りを楽しみたい、そしてコストパフォーマンスも重視したい、と考えるのであれば、W800が最適なパートナーとなるでしょう。
単純なスペック比較では見えてこない、フィーリングや感性の部分が選択の鍵となります。可能であれば両車を試乗して、自分の心に響くのはどちらかを感じ取ることが、最も後悔のない選択につながるはずです。



総括:あなたに合うカワサキ メグロK3とW800の違い
- メグロK3とW800はエンジンやフレームを共有する兄弟車
- 最大の違いはハンドル形状とそれによるライディングポジション
- メグロK3はアップハンドルでゆったりとした風格のある乗り味
- W800はやや前傾姿勢でスポーティな走りを楽しめる
- 外観は塗装やエンブレム、シートの仕上げなどで差別化
- メグロK3は銀鏡塗装など工芸品のような重厚感を持つ
- W800はクロームメッキを多用した華やかで軽快な印象
- エンジンスペックは773cc、52馬力で両車共通
- シート高も790mmで共通しており足つき性は良好
- 価格はメグロK3の方が約16.5万円高いプレミアム設定
- 歴史や所有感を重視するならメグロK3がおすすめ
- 走りも楽しみたいバランス派にはW800が向いている
- どちらが良いかは性能の優劣ではなくライダーの価値観で決まる
- 購入前には実車を見て、可能であれば試乗することが理想
- あなたのバイクライフに寄り添う一台を選びましょう