ホンダの名車ホーネット250の購入を検討する中で、「ホーネット250はやめとけ」という意見を目にして、不安に感じていませんか。特徴的なデザインと4気筒サウンドに憧れを抱く一方で、古いバイクならではのリスクが気になる方も多いでしょう。
この記事では、なぜ「やめとけ」と言われるのか、その理由を徹底的に掘り下げます。壊れやすい、最悪といった評判や、ウォーターポンプなどの持病に関する情報、そして購入後に後悔しないための注意点を詳しく解説します。
また、現在の中古市場の状況や、初心者や女性にとってどんな人向けのバイクなのかも明らかにします。ライバル車としてよく比較される、バリオスとホーネットどっちが速いのかという疑問にも、客観的な視点でお答えしていきます。
この記事を読めば、ホーネット250が持つ本当の姿を理解し、あなたにとって最適な一台なのかを判断できるようになります。
この記事を読むことで、以下の内容が明確になります。
- 「やめとけ」と言われる具体的な理由(故障・維持費・燃費)
- 中古車選びで後悔しないためのチェックポイント
- ホーネット250が本当に向いている人の特徴
- 購入を決める前に知っておくべきメリットとデメリット

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ホーネット250はやめとけと言われる5つの事由
この章のポイント
- 壊れやすいは最悪?故障リスクを解説
- ウォーターポンプなど特有の持病とは
- 中古車選びで失敗しないポイント
- 購入後に後悔する人の残念な共通点
- 燃費は悪い?タイヤ代など維持費を解説
壊れやすいは最悪?故障リスクを解説
ホーネット250(HORNET)に対して「壊れやすい」「最悪」といったネガティブな評判を聞くことがありますが、これは本当なのでしょうか。
この評価の根底にあるのは、ホーネット250が古いバイクであるという事実です。最終型でも2007年式であり、生産終了から15年以上が経過しています。そのため、どんなに状態が良く見えても、ゴム部品や配線などの経年劣化は避けられません。実際に元オーナーからは「買って半年もしないうちに不具合が連発した」という声も聞かれます。
一方で、エンジン自体はCBR250RR譲りの頑丈な設計で、「スーパーカブ並みに頑丈」と評する声もあります。ロクに整備されていなくても走ってしまうほどのタフさを持つという意見もあり、一概に「壊れやすいバイク」と断定することはできません。
要するに、故障リスクは「個体差」に大きく左右されるということです。前オーナーがどれだけ丁寧なメンテナンスをしてきたかによって、車両の状態は天と地ほどの差があります。したがって、「壊れやすい」という評判は、状態の悪い中古車を購入してしまったケースから来ている可能性が高いと考えられます。購入を検討する際は、この個体差のリスクを十分に理解しておく必要があります。
ウォーターポンプなど特有の持病とは
ホーネット250には、その構造や年式から、発生しやすいとされる「持病」のようなトラブルがいくつか存在します。これらを事前に知っておくことは、購入後の予期せぬ出費を防ぐために大切です。
最もよく知られている持病の一つが、ウォーターポンプの故障です。エンジンの冷却水を循環させる重要な部品ですが、このポンプの軸にあるシールが劣化し、冷却水が漏れたり、逆にエンジンオイルが冷却水路に混入したりするトラブルが報告されています。修理には部品代と工賃で数万円の費用がかかることがあり、ホーネットのウィークポイントとして認識されています。
また、250ccの4気筒エンジンを搭載するバイク全般に言えることですが、レギュレーター(発電した電気を整流・安定化させる部品)のパンクも比較的起こりやすいトラブルです。高回転を多用するため発熱量が多く、レギュレーターに負担がかかりやすいことが原因と考えられます。故障するとバッテリーが充電されなくなり、最悪の場合は走行中にエンジンが停止することもあります。
これらの持病は必ず発生するわけではありませんが、年式が古いホーネット250ではリスクが高まるのは事実です。購入時には、これらの部品が過去に交換されているか、現状で不具合の兆候がないかを確認することが求められます。

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中古車選びで失敗しないポイント
ホーネット250は中古車でしか手に入れることができず、その価格も高騰傾向にあります。だからこそ、購入で失敗しないためのポイントを押さえておくことが非常に重要です。
まず、大前提として「安すぎる個体には手を出さない」という心構えが必要です。ネット上の体験談でも「20〜30万円台のホーネットでまともな物はない」という意見がある通り、相場より極端に安い車両は、何かしらの問題を抱えている可能性が極めて高いです。修理代が購入価格を上回る「安物買いの銭失い」になるリスクを避けるためにも、価格だけで判断するのは危険です。
次に、具体的なチェックポイントです。
エンジン始動時に異音がないか、アイドリングは安定しているかを確認します。特にカムギアトレーン特有の音以外の「ガチャガチャ」といった異音には注意が必要です。また、前述のウォーターポンプ周辺からの液体漏れの痕跡がないかも必ず確認しましょう。
さらに、フレームの状態も大切です。転倒による大きな傷や歪みがないか、ハンドルのストッパー部分に不自然な打痕がないかをチェックすることで、過去の大きな事故歴を推測できます。
最後に、信頼できる販売店を選ぶことです。古いバイクの取り扱いに慣れており、納車前の整備をしっかり行ってくれるお店を選びましょう。保証が付いているかも大きな判断材料となります。これらのポイントを冷静にチェックし、憧れだけで飛びつかないことが、失敗しない中古車選びの鍵となります。
購入後に後悔する人の残念な共通点
ホーネット250のデザインや音に憧れて購入したものの、後に「後悔した」と感じる人には、いくつかの共通したパターンが見られます。
最も多いのが、バイクの特性と自身の乗り方のミスマッチです。ホーネット250は、エンジンを高回転まで回して楽しむことに真価があるバイクです。しかし、主な用途が街乗りや通勤で、ストップ&ゴーが多い環境だと、持ち味である高回転域をほとんど使えません。むしろ、低回転域のトルクが細いため、発進や低速走行でストレスを感じやすくなります。結果として「思ったより楽しくない」「疲れる」と感じてしまうのです。
次に、維持費に関する認識の甘さも後悔につながります。特に見落とされがちなのがタイヤ代です。ホーネット250は、250ccクラスでありながらリッターバイク並みの太いリアタイヤを装着しており、交換費用は前後で5万円以上かかることも珍しくありません。この点を理解せずに購入し、最初のタイヤ交換で予想外の出費に驚くケースがあります。
燃費の悪さも後悔のポイントです。実燃費はリッターあたり20km前後になることも多く、燃費の良い現行のバイクに比べると、ガソリン代がかさみます。
これらの後悔に共通するのは、ホーネット250の「見た目」や「音」といった魅力的な部分だけに惹かれ、その裏にあるデメリットや特性を十分に理解していなかったという点です。

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燃費は悪い?タイヤ代など維持費を解説
ホーネット250の購入を考える上で、避けて通れないのが維持費の問題です。「やめとけ」と言われる理由の一つに、経済的な負担の大きさが挙げられます。
燃費性能について
まず燃費ですが、多くのユーザーレビューを見ると、実燃費は街乗りでリッターあたり18km〜22km、ツーリングなど比較的スムーズに走れる状況で25km前後となることが多いようです。カタログ燃費は32.0km/L(60km/h定地走行時)ですが、これはあくまで理想的な条件下での数値です。
4気筒エンジンは高回転まで回して楽しむ特性上、どうしても燃費は悪化しがちで、現行の単気筒や2気筒エンジンを搭載した250ccバイクと比較すると、見劣りするのは否めません。
維持費の内訳と注意点
250ccなので車検がない点は大きなメリットですが、他の部分でコストがかさむ傾向があります。特に大きいのがタイヤの交換費用です。
維持費の項目 | 費用の目安(年間) | 備考 |
軽自動車税 | 3,600円 | 毎年4月1日時点の所有者に課税 |
自賠責保険 | 約7,540円〜 | 契約年数により変動(24ヶ月契約の場合) |
任意保険 | 年齢・等級による | 若年層は高額(年間10万円以上も) |
ガソリン代 | 走行距離による | 3000km走行、燃費20km/L、170円/Lで約25,500円 |
タイヤ交換 | 50,000円〜/回 | 1〜2年に1回程度。リッターバイク並みの費用。 |
オイル交換 | 5,000円〜/回 | 年1〜2回。フィルター交換時は追加費用。 |
その他消耗品 | 不定 | チェーン、スプロケット、ブレーキパッドなど。 |
修理・整備費 | 不定 | 年式の古さから予期せぬ出費の可能性あり。 |
表からも分かる通り、最も特徴的なのはタイヤ代の高さです。この出費を想定していないと、維持が困難になる可能性があります。燃費の悪さと高額なタイヤ代、そして古いバイクゆえの突発的な修理費。これらの維持費を総合的に考えると、「やめとけ」という意見が出るのも理解できるでしょう。



それでも乗りたい!ホーネット250はやめとけの真相は?
この章のポイント
- ではホーネットはどのような人向けなのか
- 初心者や女性でも乗りこなせる?
- バリオスとホーネットどっちが速い?
- 購入前に知るべき最後の注意点
ではホーネットはどのような人向けなのか
これまでホーネット250のネガティブな側面を中心に解説してきましたが、もちろん、このバイクが輝く場面や、心から楽しめる人もたくさんいます。では、ホーネット250は一体どんな人向けのバイクなのでしょうか。
まず挙げられるのは、「4気筒エンジンのフィーリングを愛する人」です。1万回転を超えてからの「クォーン」という甲高いサウンドと、モーターのように滑らかに吹け上がるエンジンフィールは、他の気筒数のバイクでは決して味わえません。燃費や低速トルクの細さといったデメリットを理解した上で、それでもこの官能的なエンジンを楽しみたいという人にとっては、最高の相棒になります。
次に、「唯一無二のデザインに惚れ込んでいる人」です。ボリューム感のあるタンクから絞り込まれたシート、そして極太のリアタイヤへと続くグラマラスなスタイリングは、今なお多くのファンを魅了しています。性能や効率よりも、見た目のカッコよさや所有する満足感を重視する人には、他に代えがたい魅力を持つ一台です。
そして、「ある程度のメンテナンス知識がある、または費用を惜しまない人」も向いています。古いバイクゆえのトラブルを自分で対処できるスキルがあれば、維持費を抑えつつ楽しむことが可能です。たとえ自分で整備できなくても、信頼できるバイクショップに任せ、必要な費用をかけられる経済的余裕があれば、安心してホーネットとのバイクライフを送ることができます。要するに、デメリットを理解し、それを上回る愛情と覚悟を持てる人こそ、ホーネット250の真のオーナーにふさわしいと言えます。
初心者や女性でも乗りこなせる?
ホーネット250は、その独特な特性から上級者向けと思われがちですが、初心者や女性にとってはどうなのでしょうか。
物理的な扱いやすさの面では、初心者や女性にも優しい部分が多くあります。2003年以降のモデルではシート高が745mmと低めに設定されており、身長160cm台の方でも両足が着きやすいというレビューが多く見られます。足つきの良さは、信号待ちや停車時の安心感に直結するため、これは大きなメリットです。また、車重も教習車で使われるCB400SFより軽く、取り回しで苦労することは少ないでしょう。

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しかし、注意すべき点もあります。前述の通り、エンジンは高回転型で低速トルクが薄いため、発進時のエンストや、半クラッチの操作に慣れが必要です。教習車のような感覚で発進しようとすると、もたついてしまう可能性があります。
最も大きなハードルは、やはりメンテナンス面です。バイクの知識が少ない初心者が、トラブルの予兆を見抜いたり、適切な対処をしたりするのは簡単ではありません。故障した際に相談できる詳しい友人や、信頼できるバイクショップとの繋がりがないと、不安な思いをすることが多くなるかもしれません。
以上のことから、足つきや軽さといった点では初心者や女性にもおすすめできますが、それはあくまで「状態の良い車両」であり、かつ「万が一のトラブルに対応できる環境」が整っていることが条件となります。
バリオスとホーネットどっちが速い?
250ccの4気筒ネイキッドを語る上で、必ずと言っていいほど比較対象となるのがカワサキの「バリオス」です。特に速さに関しては、多くの人が関心を寄せるテーマです。
単純な速さを比較すると、一般的には「バリオスの方が速い」という意見が優勢です。特に初期型のバリオス(A1〜A4)は45馬力という、当時の自主規制上限いっぱいのパワーを誇っていました。ホーネットの40馬力と比べると、スペック上ではバリオスに分があります。
しかし、実際の速さはスペックだけで決まるものではありません。両車のスペックと特性を比較してみましょう。
項目 | ホンダ ホーネット250 | カワサキ バリオス (II) |
エンジン | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
最高出力 | 40PS / 14,000rpm | 40PS / 14,000rpm |
最大トルク | 2.4kgf・m / 11,000rpm | 2.4kgf・m / 10,000rpm |
車両重量 | 168kg (乾燥) | 172kg (乾燥) |
エンジン特性 | 超高回転型。カムギアトレーン採用。 | 中〜高回転域にバランスが取れている。 |
後期型のバリオスIIになると、馬力はホーネットと同じ40馬力に設定されています。そうなると、速さの差はほとんどなく、ライダーの技量やバイクのコンディションに左右されるレベルと言えます。
むしろ注目すべきは、両者のエンジンフィーリングの違いです。ホーネットはカムギアトレーン特有の「シュイーン」という音と共に、10,000回転を超えてからが本領発揮の超高回転型です。一方のバリオスは、より中速域から力強さを感じさせ、乗りやすさの面で評価されることがあります。
したがって、「バリオスとホーネットどっちが速いか」という問いに対しては、「スペック上は初期型バリオスが有利だが、体感的な速さや楽しさはエンジンの好みによる」というのが最も的確な答えになるでしょう。

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購入前に知るべき最後の注意点
ここまでホーネット250の様々な側面を解説してきましたが、最後に、購入を決断する前に必ず頭に入れておくべき注意点をまとめます。
最も重要なのは、「純正部品の供給状況」です。生産終了から長い年月が経過しており、特に外装パーツやエンジン内部の細かい部品などは、すでにメーカー廃番(欠品)となっているものが増えています。2016年に一部部品が再販されましたが、全ての部品が手に入るわけではありません。万が一、欠品部品が関わる故障が発生した場合、修理が不可能になったり、中古部品を探し回る必要が出てきたりするリスクがあります。
この部品問題に関連して、「修理を受け付けてくれない可能性がある」という点も挙げられます。ホンダの正規ディーラーであるホンダドリーム店などでは、年式が古すぎる車両の修理や整備を断るケースがあります。もちろん、旧車に強いバイクショップであれば対応してくれますが、ツーリング先での急なトラブルなどでは、修理できる場所がすぐに見つからないかもしれません。
これらのリスクは、このバイクを維持していく上で常に付きまといます。デザインの魅力や4気筒サウンドへの憧れは非常に理解できますが、それと同時に、いつかは部品が尽きて乗れなくなるかもしれないという「覚悟」が求められるのです。ホーネット250は、ただお金を出せば乗り続けられるバイクではなく、手間や時間、そして運も必要になる、趣味性の極めて高い一台であると認識しておく必要があります。



まとめ ホーネット250はやめとけ?最終判断
「ホーネット250はやめとけ」という言葉の裏にある理由を多角的に解説してきました。最終的に、あなたがこのバイクを選ぶべきかどうかの判断材料として、この記事の要点をまとめます。
- ホーネット250は古いバイクゆえに経年劣化による故障リスクがある
- 特にウォーターポンプやレギュレーターは持病として知られる
- 中古車は個体差が激しく、安い車両には大きなリスクが伴う
- 維持費は250ccクラスの中で高額な部類に入る
- リッターバイク並みの太いタイヤは交換費用が高い
- 燃費は実測でリッター20km前後と決して良くはない
- 高回転型のエンジンは街乗り中心の人には扱いにくい場合がある
- 「やめとけ」と言われるのはデメリットを理解せず購入した人の声が多い
- 4気筒サウンドや唯一無二のデザインは大きな魅力
- 足つきが良く取り回しも軽いため体格的なハードルは低い
- 初心者や女性でも乗れるがトラブル対応の覚悟は必要
- ライバルのバリオスとの速さの差は僅差でエンジン特性の好みが重要
- 純正部品の欠品が進んでおり将来的な維持には困難が伴う
- 憧れだけでなく長期的な維持計画を立てられる人向けのバイク
- デメリットを許容できるほどの愛情があるかが最終的な判断基準となる